長野市立豊野西小学校(長野県)
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2018年、3回目となった「発明アイディア ワークショップ」が開催されたのは長野市立豊野西小学校。6年1組の25名、2組の26名、合計51名が「発明家のタマゴ認定証」を受け取りました。
「発明アイディア ワークショップ」が催されたのは長野市立豊野西小学校。12月5日(木)に6年生の2クラスが「みんなが発明家」の特別授業に参加しました。豊野西小学校は来年創立130周年を迎える歴史と伝統のある学校です。めざす児童像を「頑張り抜いて素晴らしさを味わう子ども」「助け合って嬉しさを感じる子ども」「考え抜いて楽しさを知る子ども」とし、全校で楽しむ飯ごう炊さん会や地域の特産であるリンゴ栽培にも取り組むなど特色ある教育で知られています。
授業に先立って講師を務める花田より全世界で1億個以上も売れているカシオG-SHOCKの開発秘話をムービーを交えながら紹介しました。次いで頭の体操として、子どもたちに対し朝起きて教室に来るまでに見たものをグループごとに挙げてもらい、「信号」(1組)、「クルマ」(2組)をそれぞれ選び、それが何の役に立っているかをグループで話し合ってもらいました。花田から、どんどんしゃべること、声に出すこと、それによって頭の働きが活性化します、というアドバイスがあると、子どもたちもスイッチが入ったようで話し合いにも大いに熱が入り、発表内容も充実したものとなりました。
花田が次に繰り出した頭の体操の材料は、信州のご当地グルメである「おやき」。「おぉ」という驚きの声があがるなかで、「この名物が、何の役に立つか、グループで考えてみよう」と討論のテーマを投げかけられました。発表では「野菜がたくさん食べられる」「運びやすい」「栄養がたくさんあってバランスが良い」「小腹が空いた時にすぐ食べられる」など、愛着のある食べ物だけにたくさんの魅力を話してもらいました。教室が沸き上がったものは「有名人が食べて全国に広がると県民が喜ぶ」という発表で、ワークショップの「だれかの役に立つ時計を考えてみよう」というメインテーマに入る前に、子どもたちの発想エンジンは全開モードとなりました。
子どもたちにアイディアを考えてもらう前に、花田から見本として出された発想が「登山中に食べられる時計」。登山者に役に立つ時計で、下山するまでに食糧が無くなった時に食べられる。時間が経ったら元通りになるという夢のようなものでしたが、発想には限りがないことを伝えるものでした。大事なことは「人はどんな時に困るかに気づいたり、想像してみること」「その人に役立つにはどんなものがいいのか」「いろいろな人の立場で考えること」など、発明のためのポイントを講義し、いよいよアイディア出しがスタート。一気に書き出す人、宙をにらみながら「うーん」と構想を練る人、自分のアイディアを友達と交換する人、それぞれの表情は生き生きとして実に頼もしく映りました。
さて、それぞれの勢いでペンが走り出し、ひらめいた発想に、さらに自分なりのアイディアを加えて仕上げられた発明アイディア作品は6年1組、2組合わせて計51点。子どもたちがアイディアをスケッチする姿をみて、花田や会場スタッフから「いいねえ」や「おぉ~!」「これ欲しい」といった感嘆の声があがりましたが、発表されたものはどれも力作揃いでした。「暑くなったり、寒くなったりした時に役立つ時計」は時計のいろんな場所から風が出せ、設定温度が調節できるというもの。手に触れるときだけ時間が見える「必要な時だけ、時間が見られる時計」、「会社の社長に役立つ、テレビの電源がつけられる時計」は、社長が社員たちに見てほしい番組があるときに、電源を点けて見てもらえるようにするもの。また、「環境破壊が進んだ地域の人たちに役立つ、自然を創り出す時計」、「犯罪にあった人に役立つ防犯用の時計」、「スポーツ選手に役立つ、体調に合うメニューを考えてくれる時計」といった発明の他に、特別枠で参加していただいた担任の先生からは、「発明家に役立つ、アイディアを集める時計」といった作品も発表され、子どもたちも先生もアイディアを発想する楽しさと大変さ、カタチにする喜びを大いに感じ取った様子でした。
花田からの講評では、全部の作品が面白い発明であること。だれが何に困っているかを自分なりに考えてくれ、その解決策が一つ一つ作品に表れているというコメントが発表されました。「困っている人の想いや事柄を考えてあげること」「それに対して行動すること」は大事なことで、これから中学、高校と進学していく中でも、この気持ちは持ち続けていって欲しいと伝えられました。特別授業に立ち会われた先生方からは、「発明とは、ものをつくるだけでなく、普段、生活や勉強をしていくうえで、困った時にどうするか、というときにも役に立つことがわかりました。今日の経験が日常のいろんな場面で活かせていければいいと思いました」と感想をいただきました。最後に授業に参加された51名のみなさんに「発明家のタマゴ認定証」が手渡され、本年3回目の「発明アイディア ワークショップ」は盛り上がりのうちに幕を閉じました。 -
6年1組6年2組